山田 洋一


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職名
助教
学位
博士(理学)(東京大学、1993年)
研究分野
超対称理論、量子補正
研究室
理学総合棟9階 941号室
E-mail
yamada_at_tuhep.phys.tohoku.ac.jp

研究内容

標準模型を超えた素粒子理論、その中でも 主に超対称理論が現在および 将来の実験や観測にもたらす効果を研究している。 特にその際、量子補正 がもたらす影響に重点を置いて調べている。
現在知られている素粒子の性質や相互作用のほとんどは、標準模型によって 精度良く記述されている。しかし標準理論は、重力を記述する一般相対論と統合 して、1つの根源的な統一理論を形作るはずである。そのためには、 標準模型を、現在知られていない粒子や相互作用を多数含むように、 大きく拡張する必要がある。また、 現在の実験や観測からも、ニュートリノ質量やダークマターといった、 標準模型に組み込まれていない現象が知られており、 これらの説明のためにも標準模型の拡張が必要となる。
標準模型の拡張のうち、現在最も有望視されているものの1つが、 超対称理論である。超対称理論は、スピンが整数の粒子(ボソン)と 半整数の粒子(フェルミオン)を ある方法で入れ替えた(超対称変換)後でも、理論の基本的な方程式が 変わらないという性質を持つ。標準模型を超対称性を持つように拡張すると、 標準模型のエネルギースケールと重力理論のエネルギースケールと の間の極めて大きな差(階層性)を安定に保つことができる。また、 知られている3種のゲージ相互作用が、あるスケールで同じ強さになる。 更に、新粒子の1つはダークマターの自然な候補になる。
そこで、超対称標準模型を始めとした、標準模型の各種の拡張理論について、 (1)近い将来の加速機実験での新粒子の生成、(2)既知の素粒子の相互作用の、 標準模型の予言からのずれ、などの手段による検証方法を研究している。 同時に、標準模型の粒子のうち唯一未発見である、ヒッグス粒子の 性質の検証も行なう。
また、標準模型やその数々の拡張理論は、相対論的な場の量子論で記述されるが、 理論の構造を分析し、その結果を高い精度で検証するためには、 量子補正の効果をきちんと評価することが必要である。 たとえば、精密測定によって標準模型からのずれを調べるためには、 標準模型の予言の誤差が、新粒子の効果によって 生じるずれよりも十分小さくなくてはならない。 なお量子補正は、場の量子論の定式化そのものに関しても 重要な役割を担っており、それ自体が興味深い研究対象である。

主な論文


last update: 2007/04/12