2011年度原子核三者若手夏の学校

- 素粒子論パート -



研究会アブスト集 (17日 前半)

研究会日程 17日前半 17日後半 18日前半 18日後半(ポスター) 20日前半 20日後半

13:30

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13:43
Anomalous Higgs Interactions in Gauge-Higgs unification
氏名倉橋 信明 (くらはし のぶあき) 学年D3
所属 神戸大学 理学研究科 素粒子理論研究室
概要
標準模型では、フェルミオン場の質量行列と湯川結合は互いに比例することが知られているが、ゲージ・ヒッグス統一模型では一般には比例せず、`異常'なヒッグス 相互作用が生じる。そこで今回、平坦な時空上での簡単な模型を用いて、その`異 常さ'の度合い(標準模型からのずれ)や性質を、特にRandall-Sundrum 上の曲 がった時空の場合との相異点に着目しながら考察を行った。
13:44

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13:57
結晶融解模型の示唆する量子的離散時空(レビュー)
氏名岡崎 匡志(おかざき ただし) 学年M2
所属 大阪大学 素粒子論研究室
概要
2003年にOkounkov, Reshetikhin, Vafaによって最も簡単なCalabi-Yau多様体である3次元複素多様体上のD6-D2-D0ブレーン束縛系に対して結晶融解模型という興味深い主張がトポロジカル弦理論から提唱された。これは我々の時空構造が古典的には連続であるが、量子的には不連続な構造を持つことを示唆する。そして最近になってコンパクト4サイクルを持たない一般のトーリックCalabi-Yau多様体上でもこの描像が成り立つことがOoguri, Yamazakiによって示された。本講演ではこの結晶融解模型のレビューを行い、今後の展望を議論したい。
13:58

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14:11
境界付きのLFT
氏名 浜 直史(はま なおふみ) 学年M2
所属 京都大学 基礎物理学研究所 素粒子論グループ
概要
境界項がある場合のLiouville Field Theoryについて、境界条件による分類や、Ishibashi stateやCardy state、bulk-boundary propagator辺りのことを概説し、AGT relationからの最近のアプローチの話をします。
14:12

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14:25
3次元topologyと場の理論(レビュー)
氏名田中 章詞(たなか あきのり) 学年M2
所属大阪大学
概要
1989年に提出されたWittenによるJones多項式の物理的解釈を述べる。
14:26

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14:39
弦の場の理論における幾何学的構造と解析解
氏名小路田 俊子(こじた としこ) 学年M2
所属 京都大学 理学研究科 物理学教室 素粒子論研究室
概要
弦の場の理論は弦理論の非摂動的真空を解析する強力な定式化であると期待されている。実際にボゾニックな開弦理論において、Dブレーンが崩壊した 後の安定な真空を既述する解析解(タキオン真空解)が得られている。そこでタキオン真空解以外の解析解も得たいわけであるが、その1つの方法とし て、弦理論における幾何学的構造が重要であると考える。今回はこの弦の場の理論における幾何学的構造を紹介し、解析解をどのように分析できるのか を話したいと思う。
14:40

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14:53
可積分性に基づくゲージ/重力対応の拡張について
氏名川口 維男(かわぐち いお) 学年D1
所属 京都大学素粒子論研究室
概要
近年のAdS/CFT対応の研究において、可積分性は重要な役割を果たしている。 本講演ではAdS空間上の弦理論の可積分性について概説し、 可積分性を保つAdS空間の変形に関する我々の研究について議論する。
14:54

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15:07
非平衡過程におけるブラックホールの熱力学第一法則
氏名横倉 祐貴(よこくら ゆうき) 学年D1
所属京都大学理学研究科素粒子論研究室
概要
我々は、任意の非平衡過程において成立するブラックホールの熱力学第一法則を、Einstein重力理論とf(R)重力理論の両方で構成した。 それは従来の準静的過程の式では考慮されていなかった動的時空特有の効果を表す項を含んだ式であり、特にその項はホライズンが存在するときには散逸として見なすことができる。 また特に高階曲率重力理論であるf(R)重力理論では、時空の各点に依存した“粘性係数”と、非平衡過程に特有の“仕事”と解釈される新しい項が現れる。 ただしHawking輻射によるstochasticな効果は考慮していない。