2011年度原子核三者若手夏の学校

- 素粒子論パート -



研究会アブスト集 (20日前半)

研究会日程 17日前半 17日後半 18日前半 18日後半(ポスター) 20日前半 20日後半

13:30

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13:44
SuperTopcolor ~Higgsはスカラートップ対だ~
氏名福島 啓(ふくしま ひらく)学年D1
所属 東北大学 理学研究科 物理学専攻 素粒子・宇宙理論研究室
概要
これはSeiberg dualityの理解に基づき、電弱対称性をSUSY QCDのダイナミクスで破る模型です。 Seiberg dualityを用いると強結合領域を弱結合の理論で記述することが可能になり、 これにより低エネルギーにおいてHiggs場が複合場として生じることが分かります。 この複合Higgs場は強結合ダイナミクスにより大きなanomalous dimensionを得、 強結合ダイナミクスで電弱対称性を破る模型につきもののFCNC問題が解消されています。 また、低エネルギー領域で理論はsuperconformal対称性を持ち、このことからsoft SUSY breaking パラメータのくりこみについて自明でない結果が得られ、 MSSMのHiggsセクターに存在するようなfine-tuningの問題も解消しています。
13:44

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13:58
超対称性の破れ(レビュー)
氏名三嶋 剛(みしま ごう) 学年M1
所属 東京大学大学院 理学系研究科物理学専攻
概要
もし理論が超対称性を持つならば、現在観測されている全ての粒子に同質量の超対称性パートナーが発見されていなければならない。実際にはそのような粒子は見つかっていないので超対称性は自発的に破れていると考えられる。私のレビュー発表では超対称性を破る機構としてどのようなものが可能かを見ていく。まず隠されたセクターを仮定しない議論をする。この時、超対称性を自発的に破る機構はオラファテ機構かファイエ・イリオプロス機構に限られる。しかしこのような項はラグランジアンに加えられないことが質量和則に関する考察から示される。さらに非くりこみ定理によって、有効ラグランジアンにこのような項が生じないことも示される。よって標準模型では表れない新しい相互作用と隠されたセクターを用いて超対称性を自発的に破る機構が考えられており、その例としてゲージメディエイションとグラビティーノメディエイションを紹介する。
13:58

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14:12
LHCでのHiggs探索(レビュー)
氏名石川 和哉(いしかわ かずや) 学年M1
所属 東京大学大学院 理学系研究科 物理学専攻 素粒子論研究室 浜口研
概要
最近、巷を賑わせているLHCでのHiggs探索ですが、Higgsは目に見えるわけではありません。 どのようにしてHiggsを検出しようとしているのかを最新の実験結果と共に解説します。  
14:12

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14:26
low-scale strings at the LHC
氏名橋 真奈美(はし まなみ) 学年D1
所属 東京大学大学院総合文化研究科
概要
弦のスケールをTeVオーダーとするような弦理論のシナリオは、low-scale string modelと呼ばれ、コンパクト化された余剰次元が大きな体積を持つことによって実現される。このシナリオは、標準模型の持つ階層性問題を解決すると期待 されている。 弦の励起状態は共鳴として観測されると考えられるが、我々は、LHC実験を想定したシミュレーションを用いて、パートン2体-2体散 乱過程における2ジェット不変質量分布を見ることにより、弦共鳴が観測可能であることを示した。 さらに、2ジェットの角度分布を見ることにより、 low-scalestring modelにおける共鳴が、他の模型における共鳴から区別されうることを示した。
14:26

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14:39
E6 GUT at the LHC
氏名 高山 健一(たかやま けんいち) 学年M2
所属 名古屋大学 素粒子論研究室
概要
E6 GUTは、ホリゾンタルSU(2)対称性と組み合わせることによって、stopの質量を他のsfermionに比べて軽くすることができる。 このモデルにおいて、LHCの結果からモデルのパラメータがどのような制限を受けるのか、特にどの程度まで軽いstopが許されるのかについて発表する。
14:40

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14:53
Threshold productionとそのLittle Higgs modelの検証への応用
氏名張ヶ谷 圭介(はりがや けいすけ) 学年M2
所属東京大学 数物連携宇宙研究機構
概要
加速器実験などにおいて粒子対がthreshold付近で生成される場合、非相対論的な束縛状態として現れる。このとき断面積は束縛状態を作る相互作用の強さに依存するので、threshold付近の断面積を測定することにより、相互作用を媒介する粒子を生成すること無くその相互作用の強さを測定することが出来る。私は、この方法を用いてLittle Higgs modelを検証できるかを明らかにした。
14:54

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15:07
SUSY Left-Right Symmetric Gauge Theories at Intermediate Scales
氏名ドレエス マティアス 学年M1
所属 早稲田大学 先進理工学研究科 物理学及応用物理学専攻 中里安倍研究室
概要
Intermediate left right symmetric gauge theories where originally proposed to explain the violation of parity and to provide a natural mechanism for neutrino masses. However, it turned out that left-right symmetric theories also provide an interesting framework to study the conservation or the breaking of R-parity as well as a solution to the strong and the SUSY CP problem. Such kinds of theories are of course also phenomenologically interesting, because they avoid the "desert" between the SUSY-scale and the GUT-scale. However, when introducing a new intermediate mass scale, some questions arrive: Besides the question of the energy scale at which parity is broken, the biggest problem seems to be to maintain the successful gauge coupling unification of the Minimal Supersymmetric Standard Model in order to embed the theory into a Grand Unified Theory. In my talk i want to give a brief review of left-right symmetric theories, discuss some bounds on the energy scale of a left-right symmetric theory and show some ways how to address the issue of gauge coupling unification.